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今日は遅刻ぎりぎりだった。

オレはチャリ通なんだが、今日に限って、ペダルを
思いっきり踏んでもなかなかMyチャリはさきに進んでくれない。
コイでもコイでもなかなか前に進まないのだ。

「くそ~~。こんなときに限って!!」

オレは思った。
あとで、このチャリよく調べてみた方がいい。
これは絶対に壊れてる・・・と。


そうこうしてるうちに、前方に見慣れた梨畑が見えてきた。
ここまでくれば学校はもう目の前だ。

チラッと腕時計に目をやる。

「よし、これならギリギリ間に合いそうだ!!」
オレは最後の力を振り絞りラストスパートをかける。

ギャギュアッ!!(チャリのタイヤが擦れる音)

気持ちのいい音とともに校門をマッハでくぐり抜けるオレとチャリ。
その勢いで駐輪場までつっこんでいたことはこの際気にしない。


オレは何事もなかったかのようにチャリを駐輪場にとめると、
校舎に向かって歩き出した。

途中、見慣れた顔に出会う。

同じクラスのYだ。

「よう。」
「おはよう!」

軽く挨拶をかわす。

Y「なぁ。」
オレ「ん?」
Y「なんでお前手ぶらなの?」
オレ「あん?」

そこでオレはとんでもないことに気づく。
そう、オレは手ぶらで学校まで来てしまっていたのだ。

基本的にオレは置き勉はしない主義だ。
当然勉強道具など何一つない。

Y「お前・・今日、英語の課題提出だぞ。」
オレ「な、なんだって~~!!!」

そういえばそうだった!
ていうか英語の課題!!昨日一生懸命やったじゃないか!!
今思い出したぞ。
くっそ・・・なんてことだ・・・

オレ「Y・・・オレは家に戻る。かばんを取ってこなければ。
 とりあえず英語の時間までには間に合うはずだ。」
Y「そうか・・わかった。がんばれよ。
 とりあえず朝のHRとかは適当にごまかしとくから!!」
オレ「すまん!頼む!!」

Y。お前はいいやつだなぁ・・
などと考えながらオレはダッシュで再び駐輪場に向かった。

来て早々、同じ道を戻るのは憂鬱だがせっかくやった課題を
無駄にするわけにはいかない。

おれは再びMyチャリにまたがった。





オレは全力でペダルをこいでいた。
しかし、やはり中々前には進まない。

オレは思った。
このままでは英語の授業に間に合わない・・・
いい加減、このチャリを使うのはあきらめた方がいいな。

そこで、オレはチャリを降り、近くの崖(断崖絶壁)を
まるでロッククライマーのように登り始めた。

これが唯一の近道なのだ。
決して遊んでいるわけではない。

ざっと20mはあるその絶壁を難なく登りきったオレは、
そのまま休むことなく走り出した。







どのくらいの間走っていたのだろうか・・・
気がつくと俺は電車に乗っていた。

「あれ?」

何故電車なんかに乗っているんだ?
オレは家に向かっていたはず。電車なんか乗る必要ないのに・・・
しかも車内はかなり混雑している。かなりの満員電車だ。

オレ「ぐッ・・こんなことをしている場合では・・・」
意味もなく、もがくオレ。

そんな時、車内アナウンスが流れる。
アナ「次は~津田沼~~津田沼~~。」

オレ「な、なにぃ~~?!」

よりにもよって津田沼だって?いったい何をどう間違えたら津田沼行きの
電車に乗るっていうんだ??

オレはもうわけがわからなかった・・・・

もう放心状態だった。素直にこの状況を受け止められない。
何だこれは?何なんだ?

自分自身に問いかけるオレ。

色々悩んでいるうちに、オレはどうも周りが窮屈であることに気づいた。
明らかにさっきより狭い・・・

この狭さは単に人がたくさん乗っているからだけではなかった。
そう、ここはタクシーの中だったのである。

????!!!!

もう言葉にならなかった。
タクシーの中にはオレを含め、10数人のサラリーマンが折り重なるように
詰め込まれていたのだ。

ぐっぅ。狭すぎる・・・
オレはもう、黙って耐えることしかできなかった。。。


しばらくして。タクシーがとまった。
どうやら目的地にたどり着いたらしい。

乗っていた十数人のサラリーマンがぞろぞろと降りていく。
そして、最後にオレだけが残った。

タクシの運ちゃん「お客さん!早く降りてください。」

オレ「ん・・は、はい。」

オレはタクシーを降りようとした。
しかし、そのとき気づいたのだ。

オレは靴を履いていなかった。
どうやらタクシー内で正座をするために脱いでいたようだ。

タクシー内には多くの人が乗っていた。それこそ足の踏み場も
ないといった状況だったのだ。靴を脱ぐのは当然だろう。
サラリーマンのオッサン達もみんなそうしていた。

まぁ、そんなわけで、オレは車内に残されていた靴を拾った。

が、しかしそれはオレの靴ではなかった。

オレ「あの、これオレの靴じゃないんですけど」
タク「あ~。それじゃきっと他のお客さんが間違えて持って
 いったんでしょ。いや~よくあるんですよね~。」

な、なんてこった・・・・

残されていたのはなんともおっさん臭いデザインの靴。。
こんなもん履けるかよ~~!!

オレ「くそッ!早く靴を取り返さねば!!」

オレは急いでタクシーを降りた。
今ならまだ間に合うはずだ。
オレの靴を履いてるオッサンを見つけ出さねば!!

オレは当たりを見渡した。しかし、オレの靴を履いたオッサンは
見当たらない。

・・・

そこにMAPメンバーが現れた。

T「あれ?こんなとこでなにやってるの?」

オレ「・・な・・・みんな、なんでこんなとこに?」

U「お前なんで靴はいてねーんだ?」

オレ「い、いや・・実は・・・」

オレは突然現れたMAPメンバーに事の経緯を話して聞かせた。

K「う~ん。なるほど。」

A「まぁ、とりあえず靴を履きなよ。」

と、いつもの調子で話しかけてくるMAPメンバー。
とにかく、オレは言われたとおりに靴を履こうとした。


そのときだった。


べチャ・・・

靴を履こうとしたオレの足の裏から妙な音がした。


オレはその時。とても嫌な予感がした・・

おそるおそる足を退けると。

オレ「・・・・!!!」

オレは声にならない声をあげた。


なんとそこには、人間の足首が転がっていたのだ。
しかもオレはそれを履こうとしてしまった。
思いっきり踏んでいたのだ。

オレ「あ・あ・・あ・・あ・」

オレは混乱していた。
たまらずそばにいた皆に尋ねる。

オレ「お、おい・・これっていったい・・・」

しかし、MAPメンバーはこの状況を対して驚いてはいなかった。
それどころか皆、無表情だった。

そして、皆、同じ方向を向いている。
オレの後ろを・・・

MAPメンバーが目で訴える。「後ろを見ろ。」と・・・

オレはオソルオソル後ろを振り返った。


バァァァァンン!!(バイオハザードとかで使われそうな効果音)


そこには、壁と屋根が崩壊した家が無残な姿をさらしていた。

しかもよく見ると、その家の中では先ほどの足首の主と思われる女性が、
怒りを露にして歩き回っていたのだ。

足首がないのに何故歩き回れるのかという突っ込みは置いておいて、
オレはすかさずMAPメンバーに尋ねた。

オレ「いったい何があったんだ?」

その時、MAPメンバーの一人がポツリとつぶやいた。

亀「テッサ・・・」

オレ「何?」

亀「テッサ・・・」

オレ「れ・・れっさ?」

亀「だから!!テッサ!!!」

オレ「て、てっさ・・・?」

亀「テッサだっていってるでしょ!!!!!!!!!」

半ば切れ気味にMAPメンバーの一人が言い放った。

どうやらこの家の崩壊は、"テッサ"というものの仕業らしい。
そして、この家の住人の足首をもぎ取ったのもこの"テッサ"
が原因とみて間違いないようだ。


「ピーポーピーポー」

ここで、ようやく救急者のサイレンの音が聞こえてきた。

足首を切断された女性もわずかに笑みをこぼしていた。




これでようやく、オレの奇妙な冒険も幕を閉じる。

ただ、一つの謎を残して・・・・


 "テッサ" ってなんだよ!!!







目が覚めると布団の上だった。
今日は月曜日。週の初めからなんて夢をみてしまったのだ。

なんだか心の中がモヤモヤしている。

仕事行きたくないなぁ・・・・

そんなことを考えながら、また普通の日常が始まる。

そして、私は今でも"テッサ"という言葉が忘れられないでいるのだ。
2007.03.15 / マサ /
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